朝ドラ「虎に翼」をみている。最近、とらちゃんの「はて・・・」が出ていない。
舞台が戦中・戦後の厳しい時代になり、大切な人たちの死が次々知らされるなかで、
「はて」と立ち止まり思索する余裕などないからだろう。すっかり影をひそめた彼女の志や
ひたむきさはこれからどうなっていくのだろうか。
寅子の「はて」に対して、対照的なのは山田よねの「はあ?!」である。
こちらは近年、若い人を中心にしょちゅう耳にする言葉になった。
よねのように大声で言おうが小さく言おうが、たいていそこには、相手への批判や、時には
バカにするニュアンスが入る。
「はて」が内向きで、主に自分に(そしてやんわり、場の人たちにも)問いかける言葉である
のに対し、「はあ?!」 は「なんでそうなるんだよ!」と攻撃的、
まさにふたりの個性を象徴的に表している。
最近よく言うコミュニケーション技法「Ⅰ(あい)メッセージ」。 誰かに何かを伝えるとき、主語
を Ⅰ(わたし)とする言い方はYou(あなた)を主語にするときよりもやわらかく相手に伝わり
やすい。
日本語は主語を省略することが多いので分かりにくいが、 意外と「youメッセージ」が多い。
例えば、 次の2例はどちらがⅠメッセージだろうか?
① 「なんで、そんなこと言うんよ!」
② 「そんなことを言われたら悲しい(腹が立つよ)」
答え
① 「(あなたは)なんでそんなこと言うんよ!」
② 「(わたしは)そんなこと言われたら悲しい」
言われる側になれば、どうですか?
一般的に、ひとは、自分が攻撃・批判されていると察知すると、反射的に防御か反撃かに
身を固め、 どちらにしても相手の身になれない。
しかし、責められるのではなく、率直に気持ちや状況を伝えるられると、「そうか・・」という
気づきや共感につながりやすい。 ということは、関係をこわさずに、解決への道ができる。
コミュニケーションのひとつのコツである。
家族に何かを頼むときも
① 「~して!」 よりも、②「~してくれたら、(私は)助かるんだけどな」という方がきっと、
双方気持ちよく、成功率が高くなりマス(*´▽`*)
さて、とらちゃんの「はて」は、 「はて・・・(私は疑問をかんじるな)」という「Ⅰメッセージ」
相手を変えよう、操作しよう という意図ではなく、
自分の疑問を素直に伝えて 「一緒に考えてほしい」 というやわらかな提示。
チカラや喧嘩ごしの物言いでない方が、
閉じられた扉や 頑なな人のこころを開くことが多い。
はてさて、今後の展開は?
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